無我夢中の白兵攻撃が終了したとき、ギルダーはザクを見下ろしている自分を発見した。 倒れこんだまま、ザクは動かない。その姿は力尽き、倒れた兵士を思わせる。 「ザクに、勝った……」 呆然と、つぶやいた。ただ一人で、ザクを倒した。ザク……。同僚を一撃で焼き払い、彼自身を握りつぶそうとしたあの巨人の、なんとあっけないことか……。 この瞬間から、連邦の反撃は始まった。ジオンの侵略より始まった戦争は連邦がジオンを。GMがザクを追い詰める戦いへと、その姿を変えていくだろう。 漠然とギルダーは、そんなことを思った。 が、これもジャブロー防衛戦という大規模な戦いの中の、ほんの一幕に過ぎない。 ギルダーに感慨に浸っている時間は無かった。 ジャブローでの激戦はこれより数時間の間、続くこととなる。