「うわあぁっ!」 単眼の恐怖から必死で逃れようと更に機首を引き上げる。宙返りをするかのように、機体が上向きにのけぞった。空……。震えるコックピットから覗ける景色は狭かった。その狭い空間へ、身を滑り込ますように、翼を操る。 …が、その僅かな隙間すら、すぐに影に閉ざされた。 コックピットに暗闇が落ちる。空が、無い! 巨大な物体が戦闘機の行く手をさえぎる。『それ』はもはや目の前に迫っていた。