皇騎士奮闘記

 

1、皇子が旅立って坊やを成敗するの巻

 ごく普通に暮らしてた僕の村にいきなりザクエスとかいう奴が乱入してきた。
 村のBGMより、この中ボス戦の音楽の方が格好いいのでちょっと嬉しい。
 ザクエスはザビロニアの騎士らしい。なぜか知らないけど、ドラクエ1並に蟹歩きだ。
 多分、横向き、後ろ向きのグラフィックなんて用意してないんだろう。哀れな脇役だ。
『ブリティスの王子を出せーー』とかいってるし。
 おまえ、本当にこんなぼろい村にそんな奴がいると思ってんのかと聞きたい
 そんなことを考えてると、育ての親のアントニオが
『あなたこそブリティスの皇子です』とか言ってきた。
 ひょっとして僕を身代わりにしてあいつを追い払うつもりかよ?
『この剣を握れば分かります』とか言い出すし。そりゃあ、ミハル姉さんも驚くさ。
 でも厄介なことに剣を握ると本当に皇子としての記憶が蘇ってきやがった。仕方ないから名乗り出ることにした。
 ザクエスは僕の姿がGMからガンダムに変わったのを見て混乱してるようだ。そりゃそうだ。
 混乱してる間にタコ殴りにしてやったら、さっさと逃げていった。
 ちょっと調子に乗って『ブリティス再興をここに誓う!』とやってみたら、一人で旅に出ることになった。お供ぐらいよこせ。


 町で話を聞くと『今回は武器屋が無いのよ。代わりに鍛冶屋でパワーアップ!』とか抜かしてる女がいた。武器を買い換える楽しみがなくなったのが、そんなに嬉しいのか。
 しかしまあ、12人も仲間ができるから武器の装備が大変そうだし、
 そもそもほとんど全員剣使いなので装備できても面白くないか。

 ちょっと外に出たらチキンゾックとかマゼラアントとかいう奴等が襲ってきた。
 どう見ても雑魚なので普通に攻撃をしてみたら、倒せない。奴等の数に任せた攻撃は結構辛い。
 仕方ないので『気合』を使った。MPが減った代わりに一撃で倒せた。要するにザコ相手に必殺技を使わなきゃいけないわけだ。こんなのヒーローじゃない。
 しかし背に腹は変えられず、必殺技主体で戦っていった。レベルも一つ上がったところでセンチネルの村というところに辿り着いた。
 一応兵法の書を最初から持ってるけど、これはまだ温存しておく。
 ちょっと宿屋で女の子に話し掛けたら

「ラナ−ルの村のおばあちゃんに、このフルーツを届けてくれ。腐らないうちに」

 とか言われた。
 お前は本気で亡国の皇子にお使いをさせるつもりなのか。
 だがAボタン連射でついつい引き受けてしまった。
 ラナ−ルの村には、東の森を抜け、氷の洞窟を通らなければいけないらしい。
 フルーツが腐るといけないので、早速出発。まだレベルは2だ。


 森を進んでいくと、見方っぽい青い奴と、敵っぽい緑の奴がにらみ合ってる。
 話し掛けると、緑の奴が『ザビロニアには向かうものは〜』とか言い出した。
 青い奴はゼータプラスと言うらしく、『こいつは俺が片付ける。下がってろ』と言ってきたのでお言葉に甘えようとしたが、口が勝手に『黙って入られない、助太刀する』と喋ってた。
 まあ、それはいいよ。戦闘は予想していたことさ。
 でもなあ。
 何で僕一人で闘う必要があるんだ。

 プラス! お前、何見てんだよ!
 助太刀した僕に全てを任せて観戦か!?
 こっちはまだレベル2だ。死にかけながら薬草を併用し、何とか勝利。
 プラスは戦いが終わると『自分も付いていく』とか言い出しやがった。だったら最初から参戦しやがれ。
 ステータスを見るとこいつはレベル4だった。
 自分より強い奴をわざわざ助けたのかと思うと、情けなくなってきた。
 そんな僕の気分も知らず、プラスは『スパッと逝こうぜ』とか調子に乗ってる。
 こいつの必殺技は『スパット斬り」
 早くも三枚目キャラということを暴露したな。

 森を抜けてもセーブは出来ず、そのまま氷の洞窟に突入。
 進んでいくと誰かが氷付けにされていた。
 ボスのハイザックを倒して、氷を剣でつついてみるとなかからF90が登場。
 どうやら僕の知り合いで、ブリティスの円卓の騎士の一人だったらしい。
 仲間になったのでステータス確認。
 レベル9。剣レベル+3、鎧レベル+4
 いきなり桁外れに強いじゃないか。こっちは僕が両方+0.プラスは両方+1なのに。
 とりあえず隊列をフォーミュラ・プラス・僕の順に入れ替えて進軍。皇子たる僕が皆に守られるのは当然だ。
 そう思ってたら後から襲い掛かられた。畜生。
 フォーミュラの必殺技は「烈火流星斬」
 要するにアバンストラッシュだ。


 ラナ−ルに到着。まだフルーツは腐ってない。
 宿にとまって夜があけて、早速おばあちゃんにフルーツをお届け。おばあちゃんが喜んで、いきなり名声が大幅に上がった。
 今まで敵を数十匹倒したことよりも、お使いに成功したことの方が世の人々には重要らしい。
 この名声の中身も、

『あのブリティスの皇子がお使いに成功したらしい』
『なんとフルーツが腐る前におばあちゃんに届けたらしいぞ』
『さすがはブリティスの皇子だ』

 と言う感じなのかと思うと嬉しくない。
 氷の洞窟で武器レベルアップに必要な『ガンダリウム』を四つほど手に入れたので、
 鍛冶屋で僕のヴァドラスソードを2レベル、ノーマルスーツを1レベル。
 プラスのサイドワインダー(剣)を1レベル上げておいた。
 フォーミュラは今のままで十分。
 村で話を聞くと、

 ・この地方の領主はガルマ。
 ・ザビロニアが支配を始めてからガルマは人が変わった。
 ・奥方のイセリナ様はいい人だ。
 ・ガルマの館には鍵がかかっている。
 ・館に忍び込むなら盗賊カイに会いに行け。
 ・アイリッシュ地方に行くにはガルマの館をまずは攻略する必要がある。
 ・全部ザビロニアが悪い。

 ということが分かった。
 あと、保険の勧誘もあったけど、一言で断った。NOと言えない日本人ではいけない。
 それから、右下の家の中にいるとプラチナロードとかいう百式がいた。
 フォーミュラの知り合いで、元円卓の騎士の一人らしい。
 しかし記憶喪失らしいのでとりあえずほっとく。


 盗賊カイの小屋に行くと『協力する代わりに落し物を拾って来い』と言われた。
 いいかげん、皇子に雑用をやらすのはやめろ。
 高貴な身分のこの僕が下賎な盗賊にわざわざ会いにきたというのに……
 落し物の『竜の首飾り』は『東の森』にあるらしい

『俺たちが出会った森だな』

 と、プラス。
 あの森はここから南西なんだが。どこが『東の森』だ?
 氷の洞窟を抜けて東の森まで戻る。オート戦闘のおかげで時間は随分短縮できた。武器レベルが違うと戦闘の難易度が全然違う。
 東の森で適当にAボタンを連打していると竜の首飾りをゲット。
 カイの小屋まで持っていく。
 カイは『これでミハルちゃんへのプレゼントが……』と喜ぶ。
 ガルマの館への抜け道は、館の北にある森にあるらしい。確かにここに来る前に、森の中で色が違う部分があった。
 カイは先に潜入してお宝を頂く、と言って出て行ってしまった。
 僕たちはそれを追いかける。

 抜け道を進んでいくと先に潜入したはずの盗賊カイが逃げ戻ってきた。何事かと思ったら門番にやられたらしい。
 門番は最初に出てきたザクエス。相変わらず横を向けない哀れな奴だ。
 まだ先がありそうなので必殺技は温存しながら戦う。
 プラスのHPが危なくなったので僕が回復をしてやる。プラスは『守る』を選択。
 するとプラスは突然『クラウンナイト殿、あなたは私がお守りします』とか言って僕をかばいやがった。
 馬鹿か。阿呆か。
 お前、自分のHPがやばいことわかってるか!?
 どうやら『守る』はリーダーをかばうコマンドであり、自身の防御は『構える』コマンドで行うらしい。

 分かりづらいわッ!(逆ギレ)

 ちょっと苦戦しつつもフォーミュラのアバンストラッシュで決着。
 ザクエスを倒すとカイが持っていた竜の首飾りをゲット。
 さらに後から記憶喪失のプラチナロードが突然登場。
 だからそこにいたなら加勢しろっての。
 プラチナは自分の剣を取り戻して記憶を回復。どうやら仲間になったらしい。
 ちなみにこの剣の名前は『プラチナソード』と言うなんのひねりも無い名前。
 鎧は『プラチナクロス』。聖闘士ですか?
 レベルは9で、武器は+2。鎧は+3だった。
 ちなみにこのときフォーミュラはレベル10。プラスは9。僕は6。
 このレベル差はどこから……
 プラチナロードは竜の首飾りを見ると

『これは悪を封じると言う竜の首飾り。持ち主に返すよりもこれをもって先に進みましょう』

 要するにキミ、皇子である僕に火事場泥棒を働け、と。
 まあ、宝箱の中身を強奪するくらいはいつもやってることだけどね。


 館内部に潜入。敵はマラサイやらシュツルムディアスやら、やたらと強烈。
 館1階にて老兵ガデムを発見。しかし『見逃してくれ〜』と騒ぐだけの根性無しだった。
 体力的に厳しいので一旦外に出ようと思ったのだが、館の扉は内側からでも開けない。
 ガルマも随分不便な家に住んでるものだ。
 ひょっとしてお前、閉じ込められてるんじゃないか、ガルマよ。
 2階に上がり、アイテムを回収。ガンダリウムも4つほどゲット。
 しかし敵のザコモンスター、ザクタンクの魔法『マインド』のせいでMPがかなり減っている。
 MPは必殺技の使用に必要、と言うわけで少々困った。
 一旦戻るか、一気にガルマのもとに行くか、悩んでいると突然後からシュツルムディアス2体が出現。
 隊列が逆になる……一番後ろにいたのは……僕だ!
 連続で攻撃を蔵って僕は気絶。あんまりだ。
 他の奴等は僕というリーダーを失って統率を乱したらしい。今のうちに僕の重要さを思い知れ。
 とりあえずリーダーを失ったのでラナールの村まで退却。その途中でプラスも死んだけど、この際どうでもいいや。

 村の医者に担ぎこまれる僕。ああ、難手術が待っているんだろうか……と思っていたら注射一発で治った。
 お前、冗談もほどほどにしろと言いたい。
 MSに注射針が通るのかと聞きたい。
 プラスも注射一発で完治。やばい薬でも入ってるに違いない。
 とりあえずガルマの館から頂戴したガンダリウムで武器を強化。
 僕の剣を+3まで、鎧を+2まで
 プラチナロードの剣を+3に
 プラスの鎧を+2に
 相変わらずフォーミュラは初期のままだ。

 皇騎士 :武器3 鎧2
 プラス  :武器2 鎧2
 プラチナ:武器3 鎧3
 フォミラ :武器3 鎧4

 パワーアップしたところで、宿に泊まってからガルマの館に再突入。


 傷薬やぶどう酒(MP回復)も買い込んでの出陣。あっさりガルマの下まで辿り着く。
 ガルマは相変わらずおぼっちゃんだ。
 余裕こいて偉そうにしていたが、
 側近のザクロードに『皇子を殺したら次はお前だ』と言われて『図ったな、シャア!』と叫ぶ。坊やだからだ。
 ザクロードとの対決。後で変身して襲ってくるはずなのでMPは温存。でも楽勝だった。
 やはり武器をパワーアップさせたのが大きかったようだ。
 ザクロードの最後の言葉は『グフーーーッ』
 お前、ザクの風上にも置けん奴だな。
 それとも何か? ザクとは違うとでも言いたいのか? ああん!?
 ザクロードを倒すとガルマは『妻のイセリナだけは許してくれ』と懇願。
 イセリナも『ガルマ様は騙されていたのです』と泣き落とし。
 仕方ないので許してやった。
 国民に人気のあるガルマのことだ。ここで厳しく処罰をすると自分勝手な民衆が騒ぎかねない。
 カオスフレームを下げるわけには行かない。無いけどさ。
 いや、待てよ。あえて死んでもらって『我々は一人の英雄を失った』と演説をかませば逆に支持率大幅アップ……
 クソッ、もう少し早くこのことを思いつくべきだった。
 イセリナはお礼として世界地図をくれた。命を救ってやったお礼としては明らかに不足だが、とりあえず文句を言うのはやめておいた。
 ガルマは良い領主になると張り切っている。イセリナは『ガルマ様、ガンバッテ』だそうだ。
 なぜそこでカタカナなのか。なぜそんなに軽いノリなのか。お前さん、『イセリナ恋の後』はどうした。
 とにかくイベント終了。
 さっさと帰ろうとすると死んだはずのザクロードが追いかけてくる。
『おのれ甘く見すぎたわ。こうなったら真の姿を……』
 ザクロードはザクトパスに変身。
 もう、お前、タコかよ
 サイコミュ試験用ザクっぽいこいつと戦闘開始。
 当然、全員で必殺技連発。
 僕とフォーミュラ、プラチナロードは160〜190ぐらいの攻撃を当てる。
 プラスだけは90しか当たらない。武器レベルが1違うだけでたいした差だ。
 キャラ性能の差かもしれないけど。
 敵の必殺攻撃でフォーミュラが気絶、さらに必殺技の使いすぎでMPが尽きてプラチナロードも倒れたが、その直後にザクトパスも死亡。ぶどう酒の用意があったから、まだ余裕はあったんだけどね。
 しかし立ち上がるザクトパス。普通に倒しても絶対に死なない体らしい。
 が、突如竜の首飾りが輝き始めて、オートイベントでザクトパス消滅。ついでに首飾りも消滅。
 なんでタコが首飾りで死ぬのか、僕にはわかりません。
 なお、盗賊カイのミハルへのプレゼント作戦はここに崩れ去った。

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