終章 最後の聖戦

 

1、エッダとドズルの道化芝居

シアルフィを拠点に、グランベル軍との最後の戦いが始まる!
まずはエッダとドズル。
かつてクロード神父とレックス公子を輩出した名家との戦いの行方は?

セリス 「と、言っても所詮生臭坊主と斧だからね。たいした抵抗ができるとも思えないよ、やっぱり」
ロドルバン 「ドズルに至ってはあのヨハンの家だからなあ」
ヨハン 「兄上との戦いか。辛いものだな」
セリス 「ギャグはやめとけ。お前は留守番だ」
オイフェ 「結局ヨハンが戦力になったのは序盤だけでしたな」
セリス 「オイフェもな」
ハンニバル 「私なんぞ登場時からいつもと変わらん扱いじゃったぞ」
ロドルバン 「そりゃ、俺たちが十分成長してから入ってきたもんな」
ラドネイ 「まあ、若い私たちに任せておけ」
セリス 「お前等も二線級の癖に……」
マナ


 
「今までのデータからすると、庶民の中での位置付けは……
 1軍:ホーク、トリスタン、アミッド、フェミナ、ディムナ
 2軍:ロドルバン、ラドネイ、リンダ、アサエロ、
 残りが非戦闘員という感じですね」
アミッド 「もっとも、フェミナが1軍なのは飛行ユニットだからだけどな」
フェミナ 「それを言ったらアミッドだって追撃リングと必殺エルウインドのおかげでしょ」
ラドネイ 「私だって★100の勇者の剣があれば……」
トリスタン 「機動力のある私にはそれでもかなわんよ」
ホーク 「フッフッフ、所詮アイテムに頼らねばならないのが君たちの限界なのだよ」
セリス 「所詮庶民だからね」
ラドネイ
 
「何を言う。お前だってレッグリングとティルフィング
 それに★100銀の剣がなければ2軍程度だろう」
セリス 「フン、庶民がぼくに勝てるとでも言うのかい?」
フィン 「どちらにせよ、実力ナンバー1はリーフ様ですが」
リーフ 「ふーん」
シャナン 「それはどうかな?」
セリス 「シャナンもバルムンク抜きならたいしたことないね」
デイジー 「セリスなんかよりはずっと強いと思うけど。何しろシャナン様には流星剣があるもん」
アレス 「貴様等、誰かを忘れてないか?」
セリス 「いや、別に。だってミストルティンがなければアレスなんてザコだし」
アレス 「ほう、試してみるか?」
マナ 「じゃあ試してみましょうか」
セリス 「え?」
マナ 「詳しくは番外編で」
セリス 「管理人がまた妙なこと企んでるな……?」
レヴィン 「まあ、先ずは目の前の敵だ」
セリス 「よし、とりあえず崖の上から遠距離攻撃を狙ってる暗黒魔術師をペガサスが一人で倒せ」
フェミナ 「だから一人じゃ辛いって……」
フィン 「アルテナ様を仲間にすればよかったんですよ」
セリス 「しつこいぞ。闘技場があるんだからいくらでも乱数調整できる。意地でも倒せ」
フェミナ 「はあ……」
トリスタン 「そういえばここの闘技場は今までの闘技場の主が集結しているんだったな」
オイフェ 「おお、ケイモスにゼノン……懐かしいですなあ」
レヴィン 「年齢的に無理してそうな気もするけどな」
ディムナ 「それにしてもクイーンやエンペラーなど何処から雇ってきたんだろ」
セリス 「どうせレベルは十分上がってるし、乱数調整のために闘技場はある程度残して置けよ」
   
  リセットの嵐の末、暗黒魔術師を排除
   
ディムナ 「最後までこのスタイルは変わらないなあ」
ロドルバン 「まあ、セリスだから」
   
  一方エッダ城
   
ユフィール 「僧兵隊、傭兵隊はこの城を死守せよ! 混成騎士団はシアルフィを奪還するのだ!」
ロダン 「エッダの司祭の名にかけても…」
ロベルト 「フッ、賞金首のセリスか。この私がとらせてもらおう」
ボイス 「残念だがその役目、この俺の太陽剣が果たさせてもらうぞ」
ロダン 「ここに来て、我々敵ユニットも個性的なスキルを身につけましたからなあ」
ロベルト 「それにしてもボイスの太陽剣は破格の待遇だな」
ボイス 「もっとも盗賊小僧のスキルとしか世間では思われていないらしいが」
ロベルト 「いいんじゃないか? お前も盗賊一味の一人だろ」
ボイス 「誰が石川五右衛門だ」
ロダン 「おお、セリス軍がやってきましたぞ」
ボイス 「またつまらぬものを斬らねばならぬか……」
ロベルト 「ほれ、やっぱり」
セリス 「じゃ、ユフィール倒して制圧、と」
ロベルト 「おい!」
セリス 「なに?」
ロベルト 「ここまできて戦闘シーン省略は無いだろう」
セリス 「いや、省略してないよ」
ロベルト 「何だと?」
セリス 「レッグリングをつけた僕なら、この程度の包囲網、一瞬で抜けて城まで辿り着けるんだよね」
ロベルト 「う、迂闊……」
セリス 「で、ボスを倒して制圧。君たちには消えてもらう」
ボイス 「俺の太陽剣は……」
セリス 「戦闘すらしないのに発動するわけ無いだろ」
ロダン 「これも天罰か……」
ボイス 「恐ろしい奴だ……」
ロベルト 「グフッ、そんなバカな……」
ユフィール 「せっかく軍を配置したのに……」
セリス 「しっかり敵の進路を防がないからそういうことになるのさ。」
   
  と、いうわけでエッダ制圧完了
   
オイフェ 「いやー、シアルフィとエッダはこんなに近かったんですなあ」
フィン 「序章のマップから少し右にずらせばもうエッダだったわけですね」
オイフェ 「ついでに言えば序章のマップを少し上にずらせばドズルだったようで」
レヴィン
 
「さて、残念だがクロード神父に子供はいない……
 っていうか、もしいても殺されてるな、シグルドに」
セリス 「エッダ公爵家は取り潰しだね。ま、ここら一帯は僕の直轄領にしてあげるよ」
アレス
 
「そうだったのか……やけに神器の継承者が少ないと思ったら、
 セリスの独裁政権を創り上げるための親子二代の陰謀だったのか!」
セリス 「そこ、うるさいよ。さて、次はドズルだ」
マナ
「スワンチカを持ったブリアン公子が西からシアルフィへ、
 部下のフィッシャーが東からエッダを目指しています」
セリス
「どうせエッダに居るのは僕一人だし、フィッシャー部隊は僕一人で倒すよ。
 残りはよってたかってブリアンを倒してくれ
マナ 「め、珍しく自分で動くんですね」
セリス
 
「ティルフィングがある限り僕に敵なんていないからね。
 おまけに一本道で、相手は斧。負ける要素なんて一つも無いよ」
ラドネイ
 
「では、我々でブリアンを倒すとするか。
 取り巻きの斧はともかく、スワンチカで防御を固めたブリアンは少々厄介だな」
ヨハン 「やはり兄弟対決の私が」
ラドネイ 「留守番組は引っ込んでろ」
トリスタン 「私の必殺やホークの魔法でなんとかなるだろう」
アミッド 「必殺の上に魔法の俺なら完璧さ!」
ロドルバン 「所詮斧だからな」
レックス霊 「斧だからとか言うな」
ホーク 「何か聞こえたな」
ラドネイ 「気のせいだろう」
ロドルバン 「じゃ、斧を退治するか」
   
  そして
   
セリス 「よーし、一人でフィッシャー部隊排除完了」
マナ 「こちらもブリアンを討ち取りました」
ブリアン 「せめて、最期の台詞ぐらい……」
セリス 「省略だ省略。ネタにもならない普通の闘いやりやがって」
ブリアン 「スワンチカの斧がこうも簡単に……」
ディムナ 「だって」
アサエロ 「斧だから」
レックス霊 「影薄いお前等にまで言われる筋合いは……」
セリス
 
「それにしても、今の台詞から察するに
 開発者もブリアンがあっさり倒されることは予測済みだったんだね」
   
  こうしてドズルも落ちたのだった
   
ダゴン 「おーい」
セリス 「何の用だ大量生産使いまわしの暗黒司祭」
ダゴン 「いや、一応私がボスなわけで」
セリス
 
「知るか。だいたい10章以降、暗黒司祭だらけだろうが。
 プレイヤーの9割は覚えてないぞ、お前達のこと。」
オイフェ 「それを考えると、最初に登場したサンディマは幸せ者ですな」
セリス 「ここまで来ると他のキャラの印象の方が強いからな」
ダゴン 「これが脇役の定めか……」

 

 

2、忠義の果てに

ドズルを落とされ、フリージのヒルダが動く!
そして涙無しでは語れない、あの人がついに……

ヒルダ 「いいかい、ユングヴィのスコピオと連絡をとり、セリス軍を挟み撃ちにするんだよ!」
セリス 「そういう台詞は僕達の見てない場所で言ったほうが身のためだよ」
アミッド 「よほど凄い諜報網を持ってるんだろうなあ、俺たち。相手の動きが筒抜けだ」
フェミナ 「うわー、フリージから鎧があんなにたくさん出てきたよ」
ロドルバン 「壮観だなあ。固そう」
セリス 「じゃ、ペガサス。山を越えて陽動を仕掛けろ」
フェミナ 「相手の攻撃範囲ギリギリのところで待機するね」
ヒルダ 「セリス軍がきたぞ! 行軍を開始しろ! スコピオに出撃要請を出すんだよ!」
セリス 「よーしペガサス。次のターンで戻って来い」
フェミナ 「はーい」
ロドルバン 「うーん、あれだけの量の鎧軍団がいっせいに移動するのは凄いなあ」
マナ 「南からユングヴィ軍が現れました」
スコピオ 「フッフッフ。森を抜けてセリス軍の背後から襲い掛かるのだ!」
セリス 「僕たちはまだドズル城だけどね」
トリスタン 「しかも騎馬で森を抜けるのは一苦労だと思うが」
セリス 「ちなみにヒルダたちは?」
フェミナ 「ボクが引き返してきたら、また動かなくなったよ」
セリス 「つまりスコピオは単独で闘わなきゃいけないわけだ。とことん間抜けだな」
スコピオ 「黙れ! そもそもお前等がこっちの情報を全て掴んでるという設定が悪いのだ!」
セリス 「なんだもう来たのか。髪形変だぞ」
スコピオ 「遺伝だよ!」
レイリア 「親から何も受け継いでない私たちだけど、変なもの受け継がなかっただけマシかしらね」
セリス 「じゃ、リンダ、そこに立ってろ」
アミッド 「またあれをやるのか?」
セリス 「その通り」
リンダ 「神様〜〜! ぶっ殺ぉす! 神様〜! ぶっ殺ぉす!」
トリスタン 「見事な祈り+怒りだ」
セリス 「スコピオはリーフが殺っといて」
リーフ 「えい(必殺)」
スコピオ 「私もザコ扱いか……」
セリス そうだよ。さて、さくさく進むぞ。次はヒルダ」
ヒルダ 「えぇい、スコピオはもうやられたのかい!」
セリス 「あんなタイミングで援軍を要請したお前の判断ミスだよ」
アミッド 「うおぉぉぉぉ! 因縁の対決を今度こそ!」
マナ 「あれだけ固いのが密集していると厄介ですね……どうしましょう」
トリスタン 「回復ユニットが3体居るのがまた厄介だな……」
セリス 「フォルセティがあれば突っ込ませて終わりなんだけど……」
アミッド 「おびき出して魔法で倒す。この繰り返しだろ、やっぱり」
セリス 「地道に行くか……」
フェミナ 「ところで、フリージの近くでは暗黒司祭が遠距離攻撃を狙ってるみたいだけど……」
トリスタン 「気にすることもあるまい。あちらから城を離れて向かってきてくれているのだからな」
セリス 「つくづく戦術眼の無い女だな」
マナ 「でもヒルダ自身は強敵ですよ。どうやって倒します?」
アミッド 「何度も言わせるな! 俺が因縁の……」
セリス 「ヒルダは魔法防御30だろ。どう考えても君の出る幕じゃないね」
アミッド 「必殺さえあればその程度……」
トリスタン 「必殺・必殺!」
ヒルダ 「グフッ」
アミッド 「あ……」
ヒルダ 「って、私まで脇役扱いする気かい!」
セリス
 
当たり前だ! まだこの後イシュタルにマンフロイにユリウスに色々残ってんだぞ!
 年増ごときを長々と描写できるか!」
ヒルダ 「イ、イシュタル……この恨みはらしておくれ……」
セリス 「さて、制圧するかな」
バラン 「もしもし?」
セリス 「大量生産のボスに用は無い」
バラン 「………」
レヴィン 「ところで、会話イベントが色々とたまっているようだが」
セリス 「ん? あ、そう言えば」
マナ 「私はセリス様と……」
リーフ 「ん? ジャンヌと会話がある」
トリスタン
 
「ほう、いつの間にかジャンヌとリーフがくっついていたか。
 ククク……順調だ」
ジャンヌ 「………」
デイジー 「フフフ〜〜ん♪ ラドネイちゃ〜ん、ヨハンと仲良く会話してなさ〜い」
ラドネイ 「クッ、シャナン王子は何でこんな女を……」
シャナン 「私にもわからん」
デイジー 「恋は不思議で当たり前なんですよ、シャナン様」
オイフェ 「『隣接』の二文字で表される恋愛に不思議も何もありませんが」
ヨハン 「ラ〜ド〜ネ〜イ〜! 私は、今日という日を……」
ラドネイ 「シアルフィから会話に参加するんじゃない、ヨハン」
ヨハン 「分かったよ、今から君の元へ……」
セリス 「ターン数の無駄だ」
オイフェ 「今までルーズなプレイを続けておきながらいまさらターン数を気にする必要も無いでしょう」
レヴィン 「生存評価だけでランク最低は確実だからな」
ヨハン 「ゼェ・・・・・・ゼェ・・・・・・。た、辿り着いたぞラドネイ……」
ラドネイ 「ヨハン、貴方大丈夫?」
ヨハン 「さすがの私もこの戦いについていくのは辛いな」
ラドネイ 「自覚あるじゃない」
ヨハン 「だがお前の愛さえあれは私は耐えてみせるぞ」
ラドネイ 「いや、耐えないでいいから城に戻って乱数調整やってて」
ヨハン 「………」
ロドルバン 「ヨハン、今一瞬ラドネイと付き合ったことを後悔したな?」
ヨハン 「あ、愛に後悔など無用だ。ラドネイ。笑って見送ってくれ(城に戻るのを)
ラドネイ 「あっはっは(嘲笑)」
マナ 「じゃあ、お戻りはワープで……」
ヨハン 「ああ、ラクチェ……」
ロドルバン 「悲しい奴だなお前……」
アミッド 「彼女なしのロドルバンに同情されるとは、さすがヨハン」
ロドルバン 「彼女がいない奴の方が多いだろ。アサエロにホークにディムナ……」
ディムナ 「ま、僕は故郷に待ってる人がいるけどね」
アサエロ 「恋人じゃないが俺にも子供たちが待ってる」
ホーク 「数多い信者が私の帰りを待っているでしょう」
フェミナ 「……そう?」
ロドルバン 「……帰る場所が無いのは、ひょっとして俺だけ?」
トリスタン 「フッ、独り身の男は辛いな。同情してやろう」
ロドルバン 「うるさい! お前だって恋人のはずのリンダと会話イベントすらないくせに!」
ディムナ 「っていうかトリスタンって女性との会話イベント一つも無いんだよね」
トリスタン
 
「フッ、仕方あるまい。この完璧な美貌の上に会話イベントまであっては
 全ての女性キャラが私を取り合うことは必定……」
ロドルバン 「一人で言ってろ!」
リンダ 「心が通じ合っていれば言葉なんて要らないんですぅ」
ディムナ 「で、他の会話は……」
フィン 「さあ、リーフ様、ジャンヌとの会話イベントですよ」
リーフ 「ふーん」
ジャンヌ 「あ、あの、リーフ様……」
リーフ 「ジャンヌさあ、なんでここにいるの?」
ジャンヌ 「へ?」
リーフ 「聖戦士の血も引いてないしレベルも低いから、全然役に立たないじゃん」
ジャンヌ 「………あ、足手まといだとは知っています」
リーフ 「じゃあ帰ったら?」
ジャンヌ 「………つ、杖を使うぐらいなら……」
ホーク 「フッ、その程度なら私がやろう」
シャルロー 「一応俺もやってやろう」
マナ 「私もある程度は……」
リーフ 「僕も使えるしね」
フェミナ 「あ、ボクも」
リンダ 「私もですぅ」
ジャンヌ 「…………」
セリス 「もう一つ芸を持っておくべきだったな。まあ馬だから使いやすいけど」
ジャンヌ 「どうせ私は役立たず……」
トリスタン
  
「嘆くな妹よ。私の役には立っているぞ。
 これで私もレンスターの王族の仲間入りだ」
ジャンヌ 「嬉しくない……」
ロドルバン 「さて、次はセリスだな」
セリス 「ン……? 別に僕はいいだろ。どうせラナのときと変わらないんだし」
マナ 「え、えーっと……、その、私はあんまり役に立てなくって……」
セリス 「うん。全くだ」
レイリア 「何言ってるよ、回復はもとより、ワープ連発したり、あんなに使ってたじゃない」
セリス
 
「うるさいな。外野は口挟むな。
 ……まあ、ラナのときよりも結果としては役に立ったかもしれないけどさ」
オイフェ
 
「しかし、8章ではセリス様との隠し会話があったりと、
 ラナよりもマナの方がむしろ優遇されているんですな」
レヴィン 「そういえばいつの間にかくっついていた時の驚きは凄かったな」
セリス 「デモワタシハムカシカラマナノコトガスキダッタヨ」
レヴィン 「ユリアと会った途端に愛し合った男の台詞とも思えんがな」
マナ 「そう言えば……」
セリス 「占い屋がボケてたんだよ! 一目で妹だとわかる相手をなんで気にするか」
オイフェ 「全てのプレイヤーが1週目から確信してたでしょうなあ、ユリアの素性は」
セリス 「会話イベントは大体終わったな? じゃあ制圧だ。こんなところでとろとろやってられるか!」
   
  一方首都バーハラ
   
イシュタル 「フリージが落ちたようです。私が出撃してセリス軍を食い止めます」
ユリウス 「別に俺一人いればあんな奴等全滅させられるけどな」
イシュタル 「しかし前のプレイでは10章でスカサハの必殺流星剣にあっさり切り刻まれていましたが」
ユリウス 「今の俺には見切りがある。必殺なんて怖くないね」
イシュタル 「はあ。ならお一人で出撃しますか?」
ユリウス 「面倒だからやだね」
イシュタル 「最初からユリウス様が反乱軍制圧に当たっていれば簡単に勝てたんですけどね……」
ユリウス デスピサロじゃあるまいし、そんなことができるか」
イシュタル 「はあ……じゃあ、出撃しますんで。ファルコン三姉妹、行くぞ!」
ユリウス 「ああ、行ってこい」
   
  と、いうわけでセリス軍
   
セリス 「さて、最大の山場、ファルコン三姉妹がきたか」
マナ
「戦闘の邪魔になりそうなので、
 フリージの北に陣取った暗黒司祭は早めに片付けた方がよさそうですね」
セリス 「よし、1ターンでけりをつけろ」
フェミナ 「無理だって。フリージを落とす前に倒しておけばよかったのに……」
フィン 「アルテナ様が居ればこの手の速攻の任務はお手の物だったのに……」
セリス
「チッ、しょうがない。シャナン、フリージ城に陣取れ。
 残りは南下して迎え撃つぞ」
シャナン 「とことん嫌なところで使ってくるな……」
セリス 「ターンエンド」
   
  シアルフィの東
   
アリオーン 「アルテナの仇……セリスめ、覚悟しろ!」
マナ 「セリス様ッ! シアルフィに竜騎士隊が向かっています!」
セリス 「アアッ! 忘れてた!!」
ディムナ 「と、とにかくワープかリターンでシアルフィに誰か戻らないと……」
ロドルバン
  
「おいおい、イシュタルとファルコン3姉妹の相手だけでこっちは手一杯だぜ。
 アリオーンを倒せるような奴が抜けたら困る……」
セリス 「………アミッド! リターンしろ!」
アミッド 「お、俺?」
セリス 「アミッドと僕でアリオーンたちを倒す。イシュタル隊はお前等で始末しろ!」
トリスタン 「フッ、任せておけ」
フィン 「アルテナ様さえ居ればこんな苦労はしなくてすむんですよ……」
セリス 「フィン、お前しつこすぎるぞ」
フィン アルテナ様を殺すから……リセットしないから……ぶつぶつ
アリオーン 「そうだ! 貴様その場のノリでアルテナを殺しおって!」
セリス 「悪いか!」
アリオーン

「悪いよ!」

セリス
 
「フンッ、辺境の国の王女の一人や二人でごちゃごちゃと。
 父上なんか何人殺したかわからないんだからな。それよりはマシだと思えよ」
アリオーン 「えぇい、貴様なんぞに支配されては人民はいい迷惑だ! ユリウスの方がまだいい!」
セリス 「黙れ。ティルフィングを喰らえ!」
アリオーン 「甘い! 槍に対してそんなものが通用するか!」
セリス 「君以外には通用してるけどね。ザコは既に全滅」
アミッド 「よーし、アリオーンのとどめは俺のエルウインド連続+追撃だ!」
アリオーン 「ま、またしても同じパターンで……」
アミッド 「ヨハンにハンニバルさん、乱数調整ご苦労さん」
アリオーン 「卑怯……もの……ガクッ」
フィン
 
「………アルテナ様さえ居れば彼も死なずにすんだのに……。
 トラキアの英雄を殺してしまっては後のトラキア半島での治世も上手くいくかどうか…」
セリス 「うるさいな。とにかくこっちは片付いた。フリージの方はどうだ?」
マナ 「えっと、乱戦状態です。シャナン様には敵ユニットが向かってくれず……」
リーフ 「ねえフィン」
フィン 「なんです?」
リーフ 「敵がフィンの方に集まってるよ」
メング 「喰らえ!」
ブレグ 「豊富なスキルと移動力! そして無限使用の大地の剣」
フィン 「ぬおっ!? ま、まずい……」
ジャンヌ 「あっ!」
フィン 「リーフ様、ご武運を……」
リーフ 「あ、死んだ」
セリス いいよ、続けよう。あいつアルテナのことでしつこかったし」
ジャンヌ 「そんな! これじゃあレンスターはリーフ様一人の肩に……」
リーフ 「ふーん」
ジャンヌ 「……レンスターもう駄目かも……」
トリスタン 「安心しろ。王の義兄でありアグストリアの重鎮である私が上手く支配してやる」
フィン
 
「じ、序章からずっとキュアン様にお供して、
 親子2代に仕えてきた私の結末がこれですか……」
セリス 「その通り」
フィン 「アルテナ様も守れず、レンスター城も守れず、自分の命まで…私は一体何のために……」
セリス

 
「まあ、ファルコンどものHPを結構削ってくれたし、
 いい位置におびき寄せてくれたから次のターンで倒せるだろう。
 いい仕事してくれたよ」
オイフェ 「安らかに眠ってください、フィンどの」
フィン 「眠れません……」
アレス 「フィン……哀れな。セリスめ……何処まで外道なのだ!」
トリスタン 「では、おびき出したファルコンは私が倒しておくか。レイリア、踊りを頼む」
レイリア 「鎮魂の踊りでも踊ろうかしら?」
ホーク 「私がホーク教の流儀で葬儀を挙げてあげましょう」
フィン 「それだけは勘弁してください……」
トリスタン 「と、いうわけでファルコン3姉妹は掃討した。残るはイシュタルだな」
セリス 「まあ、なんとでもなるだろ」
ホーク 「フッ、もう一度私に倒されるかね、雷神よ」
アレス 「それともミストルティンをもう一度味わうか?」
イシュタル 「もはや言うことは無い……雷神イシュタルの最期の戦いを」
リーフ 「連続・追撃」
イシュタル 「………もう終わりですか?」
リーフ 「うん」
トリスタン
 
「イシュタルよりはファルコン3姉妹の方が手ごわいからな。
 イシュタルの印象は帰って薄くなる道理だ」
イシュタル 「しまった……もう少し弱い部下を連れてくるんだった……」
ホーク 「後悔先に立たず……しかしこのホークに祈れば万に一つ……」
レイリア 「一生やってなさい」
イシュタル 「ユリウス様……グフッ!」

 

 

3、聖戦 そして……

残るはバーハラの12魔将、魔皇子ユリウス、そしてヴェルトマーのマンフロイ。
セリスのグランベル支配が刻一刻と近づいている!

マナ 「セリス様、向こうからユリアが向かってきます」
セリス

 
「ああ、気にするな。じゃあ僕はヴェルトマーにマンフロイを倒しに行くから、
 お前等12魔将の相手をしてやれ。
 特攻するとメティオが来るから、アレス、お前が囮になっておびき出せ」
アレス 「まあ、いいだろう」
ロドルバン 「12魔将か……強そうなのがそろってるな」
トリスタン 「フッ、私の腕の見せ所だ」
マナ 「でも、ユリアは……」
セリス 「ユリア、ヴェルトマーに行くからついて来い」
ユリア 「はい……」
マンフロイ 「何ッ!? バカな、ユリアはわしの魔法で操られているはずだぞ! 何故セリスを攻撃せん」
ユリア 「クスクス……通じないもの」
マンフロイ 「何?」
セリス
「レベル上げてないユリアの魔力でティルフィング持った僕の魔法防御を貫けると思う?
 攻撃しても無駄だから、ただ近くに寄ってくるだけなんだよ、ユリアは」
マンフロイ 「……で、お前がヴェルトマーに来るのを追いかけてユリアも来るわけか」
セリス 「その通り。ナーガの魔法書はもらうから、用意しとけよ」
マンフロイ 「こ、こんなはずでは……」
セリス

 
「だいたい、敵の切り札を手中に収めておきながら無策なんて
 どうしようもないバカだよね。
 ユリアを殺すとか、ナーガの魔道書を壊すとかしておけばいいのに。
 グランベル軍はそろいもそろってバカの集まりだよ、全く」
ユリア 「そのバカの謀略にはまって死んだのが貴方の父親……クスクス」
セリス 「バカばっかりだ」
マンフロイ 「このわしのたくらみがこんなことで……」
セリス 「いいから死ね。ユリア、ナーガとりにいけ」
ユリア 「クスクス……私の最大の見せ場がもうすぐ……」
   
  一方バーハラ周辺
   
マナ 「森を使って敵の命中率を下げながら、相手を一体ずつおびき出しましょう」
ディムナ 「まあ、妥当な作戦だよね」
アレス 「何? 森だと?」
レイリア 「……なんで平地で囮役をやるかな、あんたは」
アレス 「ここに配置させたのはセリスだ。セリスに言え!」
ユリウス 「なんだアレは。それ、メティオ!」
アレス 「グッ、だがミストルティンの力があれば……」
ロドルバン 「お、魔将がきたぞ」
アミッド 「おーいアレス、生きてるか〜」
アサエロ 「別に貴族なんぞ死んでも構わんが。HPも残り少ないな」
アレス
「グウッ、セリスめ、俺を殺すつもりでこんな場所に配置したのか……?
 こ、こんな所で死んでたまるか!」
ロドルバン 「おお、ギリギリ耐えたな」
アレス 「はあ、はあ……死んだらどうせリセットなしだからな。セリスめ……」
アミッド 「じゃ、おびき出されたところを倒すか」
トリスタン 「能力は高いが、おびき出してしまえば所詮こちらのもの」
ラドネイ 「弓使いのフュンフ! 直接攻撃で狙い撃ちしてくれる!」
アミッド 「そこの斧男ドライ! 俺の魔法で消し飛べ!」
レイリア 「順調に行けばこのまま倒せそうね」
ホーク 「フッ……だが、あの男だけは私でなければ倒せまい」
ディムナ 「え?」
ホーク 「アハトとやら。この私と力比べをしてみるかね?」
オイフェ 「おお、あれはフォルセティでも苦戦をするという噂のアハト!」
ホーク 「ククク……この神の前では魔将の力など無に等しいことを教えてあげよう」
ツヴァイ 「何をぶつぶつ言っている。喰らえ銀の大剣!」
ホーク
 
「回避! 私とアハトの対決の邪魔をしようとは無礼な男だ。
 ライトニング! ライトニング! ライトニング! ライトニング!」
ツヴァイ 「ば、バカな……」
ロドルバン 「魔将を簡単に倒したよ、あいつ……。ツヴァイは同じフォーレストの俺が倒したかったのに」
ラドネイ 「実力を考えてものを言え」
ホーク 「さあアハトよ、勝負だ! ライトニング!」
アハト 「させるかッ! トルネード!」
ディムナ 「うーん、ハードな闘いやってるなあ」
デイジー 「あんたも怠けてないで戦ったら?」
ディムナ 「一応、間接攻撃でちくちくやってるんだけどね」
ホーク 「クッ……なかなかやるようだなアハト。この勝負、預けたぞ」
フェミナ 「へえ、兄さんが敵を倒さず戻ってくるなんて珍しい」
トリスタン 「では、おいしいところは私がもらおう。喰らえ勇者の剣!」
アハト 「直撃……!?」
トリスタン 「そして再移動で敵陣から離脱だ」
ロドルバン 「でないとユリウスのメティオが来るからな」
ディムナ 「そういえばメティオの被害をモロにくらってたアレス王子は?」
ロドルバン 「後ろで治療を受けてる」
アレス 「うーん、おのれセリス……よくもこんな目に……」
   
  そして数ターン後
   
マナ 「これで12魔将は片付きましたね」
アミッド 「じゃあ、ユリウスの攻撃範囲の外で成り行きを見守るか」
フェミナ 「ボクたちの出番、これで終了?」
アミッド 「そうみたい。フェミナ、戦いが終わったら一緒にシレジアに帰ろうよ」
フェミナ 「そうだね」
セリス 「よし、バーハラから戻ってきたぞ」
ユリア 「クスクス……私の見せ場……私の見せ場……」
ユリウス 「フン、ユリアか。ナーガめ。また邪魔を」
セリス 「じゃ、制圧」
ユリウス 「待て!」
セリス 「なんだようるさいな」
ユリウス 「ラストバトルを省略する気か!」
セリス 「当たり前だろ! このゲームで一番つまらない戦いだぞ!」
ユリア 「見せ場……」
セリス
 
「ナーガの能力修正でどうやってもユリアが勝つように出来てるし、
 それを僕たちは見てるだけ。ましてユリアは育ててないユニットだし、ちっとも面白くないね」
ユリウス 「おのれまたしても……」
セリス 「ま、これが主役の僕と脇役の君の差だよ。所詮僕の一人勝ちになるように出来てるのさ」
ユリウス 「グググ…人間にその卑しい心がある限り俺はまた」
セリス 「制圧」
ユリウス 「………」
   
  こうして、戦いは(割と呆気なく)終わった。
   
セリス 「これで僕はグランベルの支配者か。いやー、いい気分だ」
マナ 「なんか、ユリウスさんに悪いことをしたような気が……」
セリス 「過ぎたことだ、過ぎたこと」
ユリア 「私の見せ場……」
セリス 「そんなもの最初から無い」
レヴィン 「やっぱりロプトの血を一番受け継いだのはセリスかも知れんなあ」
マナ 「と、とにかく皆に最後の挨拶を……」
セリス 「ああ、じゃあ最初はイザーク組から」
シャナン 「セリス、世話になったな」
セリス
 
「ああ、シャナンは本当に役に立ってくれたよ。
 普段鍛えて無くてもバルムンクさえあれば囮になれるし」
シャナン 「しかしなあ。体よく利用されてるだけにしか見えんぞ」
セリス 「気のせいだよ。じゃ、デイジーと幸せに」
デイジー 「さあシャナン様、私にイザークの半分をプレゼントしてくださいね」
シャナン 「何でこんなことになったのやら……」
セリス 「まあ、イザークの統治に困ったら僕にいいなよ。すぐ侵略して支配してあげるから」
シャナン 「戦いが終わった気がせんなあ」
ロドルバン 「じゃ、俺もイザークに帰るよ」
セリス 「あっそ。一人寂しく帰れば?」
ロドルバン 「あのな……一応俺はお前の幼馴染だぞ? もう少し別れを惜しむとか……」
セリス

 
「光らないソードファイターに用は無い。
 戦場の花形のはずの剣士の癖にその他大勢の戦力にしかならなかったくせに、
 何が別れを惜しむだ」
ロドルバン 「グッ……でもな、神器なしの直接対決ならお前にだって負けないぞ」
セリス 「ふーん、やってみるかい?」
マナ 「それは番外編のお楽しみということで……」
ディムナ 「直接対決だと逆に僕はまずいかもなあ」
マナ 「兄さんは勇者の弓と序盤の力+5イベントで結構活躍したのよね」
セリス 「ま、庶民にしては下手なレスターより使えたよ」
ディムナ 「じゃ、僕もイザークに帰るから」
マナ 「兄さん、いつでも遊びにきてね」
セリス 「……ディムナと僕も親戚になるのか。嫌だなあ」
ディムナ 「そんなこと言ったら他にもいっぱい……」
マナ



 
「セリス様の親族になるのは……
 私と兄さんのほかに、リーフ王子が従兄弟で、その奥さんになったジャンヌさん、
 ジャンヌさんのお兄さんのトリスタン。トリスタンの奥さんになったリンダさん。
 リンダさんの兄さんのアミッドさん、アミッドさんの奥さんのフェミナ。
 フェミナのお兄さんのホークさんも……
セリス 「ちょっと待て。じゃあ何か? ひょっとしてうちの軍はほとんど親戚なのか?
マナ 「そうみたいです……」
セリス 「この僕が庶民たちと親戚なんて……」
レヴィン 「意外な事実だな」
セリス 「……」
シャナン 「なにやらショックのようだ」
レヴィン 「気にするな。ではイザークの者たちよ、さらばだ」
セリス 「うーん、なんてことだ……」
フィン霊 「その程度の事で落ち込まないで下さい!」
セリス 「うわ? なんだよフィン、幽霊の癖に」
フィン霊 「いえ、そこのイタコに召喚してもらいましたから」
ユリア 「クスクス……」
セリス 「また面倒なことを……」
フィン霊 「とにかくですね! 今後のトラキア半島はどうなってしまうのか!」
リーフ 「別にどうでもいいけど」
フィン霊 「よくありません!」
セリス 「いざとなったら僕が侵略して支配するよ。心配するな」
フィン霊 「それが一番心配なんです!」
ジャンヌ 「うーん、いっそフィンさんにはずっと現世に居てもらった方がいいかも」
フィン霊 「ジャンヌ、貴方だけが頼りです。どうかリーフ様を……」
ジャンヌ 「で、でもほら、ハンニバル将軍とかも……」
ハンニバル 「ん? なんじゃ? 飯の時間か?」
シャルロー 「爺さん、最近すっかりボケちまってなあ」
ジャンヌ 「………ほ、ほかに人材は……」
アサエロ 「俺は貴族の手助けなんぞせん」
マナ 「そういえばアサエロはコノート出身なのよね」
アサエロ
 
「だが俺は孤児院の経営をするだけだ。
 金が足らなくなったらまた貴族を狙う刺客業をやればいいしな」
ジャンヌ 「ああ、むしろ不安材料……」
フィン霊 「と、トラキアの未来は……心配で成仏もしていられない!」
セリス 「まあ好きにやってくれよ。どうせグランベルの外の事だ」
レヴィン

 
ジャンヌよ、お前の使命は重い。
 憎しみあう半島の人々の心を一つに結び付け
 誰もが平和に暮らせる国を作るのだ」
ジャンヌ 「そんな使命を平民に押し付けないで……」
レヴィン 「さて、次はアグストリアの奴等か」
アレス 「セリス! 借りはいずれ返すぞ。貴様の事は生涯忘れん!」
セリス 「なんだよ、急に」
アレス
 
「よりによって最後の戦いで囮役にした上に瀕死の状態まで人を追い込みおって!
 父の恨みと共に俺自身の恨みもいずれ晴らしてやる!
レイリア 「まったくもう、困った子ねえ」
セリス 「別にいいけどね。アグストリア如きが攻めてきてもびくともしないよ、グランベルは」
アレス 「フン、戦争でなくても、直接対決で思い知らせてくれる!」
セリス  「好きにしなよ。そうそう、トリスタン。お前も目障りだからアグストリアにいけ」
トリスタン 「もとよりそのつもりだ。私はアレス王の家臣だからな」
アレス 「トリスタン、頼りにしているぞ」
トリスタン 「お任せください……ククク……」
セリス
「アグストリアはのっとられたも同然か。
 ま、内乱でも起きればそれに乗じて侵略すればいいんだし」
レイリア 「はあ……頭痛いわね……」
セリス
 
「ああ、リンダ。お前もトリスタンと一緒に行けばいい。
 怒りなんて持ってる爆弾みたいな奴にフリージに残られても厄介だしな」
リンダ 「ええ〜〜っ! 私とだーりんの仲を知ってたんですかぁ?」
セリス 「………ばれてないつもりだったのか?」
リンダ 「はい」
セリス 「………ステータス画面見れば一発だろうが」
マナ 「それにしてもアグストリア組は戦力的にかなりのものですね。
   勇者の剣で主力だったトリスタン、怒りに祈り、回復もできるリンダさん、
   ミストルティンのアレス王子に踊りのレイリアさん」
セリス 「まとまりが無いから怖るるに足らずだよ」
レヴィン

 
「アグストリアは未だ内乱の最中にあると聞く。
 お前達の使命はそれを収めることだが……
 逆のことになりそうだな、多分」
セリス 「はい、次はグランベルに残って僕の部下になる奴等」
アミッド 「別にセリスの部下にはなりたくないけど、俺は聖戦士らしくフリージを継ぐよ」
フェミナ 「へ?」
アミッド 「へ? ってことはないだろ。俺だって一応聖戦士の血を引いてるんだから」
セリス 「そういえばそうだったっけ。アイテムに頼ってるからそんなイメージ無かったけどな」
アミッド 「フェミナも俺と一緒にきてくれるんだろ?」
フェミナ 「あのさ……ちょっと前に『シレジアに帰ろう』って言わなかったっけ?」
アミッド 「……そういえば言った気もする」
セリス

 
「帰ってもいいよ、別に。フリージ家の一つや二つ、つぶれたって構わないし。
 君たち二人そろってアイテムのお世話になってようやく主力っていう程度だしね。
 むしろ君たちみたいなのが受け継いだら駄目になるんじゃない?」 
アミッド 「ぐっ、言いたい放題……だったらドズルなんて……」
ヨハン 「呼んだかね?」
セリス 「ヨハンも聖戦士だったか、そう言えば……。ああ、どんどん聖戦士の格が落ちていく」
ラドネイ 「安心しろ。私が教育してやる」
セリス
 
「ラドネイだってロドルバンと同程度だろ。
 勇者の剣を使っても活躍的ない剣士なんて、はじめて見たよ」
ラドネイ 「ティルフィングなしで活躍できないお前にいわれる筋合いは無い」
オイフェ

「しかしどの家もそうですが、しばらくは神器無しでやっていくんですな。
 ドズルやフリージにも直系の人間が居ませんし、
 私が継ぐシアルフィも直系はセリス様ですし」
セリス
「ひょっとして僕に子供が出来てその子がバルドの直系だったら、
 シアルフィに養子に出さなきゃいけないのか?」
オイフェ 「そういうことになりますなあ」
マナ 「こ、子供の話なんて……まだ……」
セリス
「それにしても……グランベルに残る戦力はこれだけか。
 エッダ、ヴェルトマー、ユングヴィはお家断絶だし。
 ずいぶん頼りないなあ……。ナーガに頼るしかないか」
レヴィン 「軍事利用するなナーガを」
セリス 「別にいいだろ。……さて、残りは……」
ホーク 「フッフッフ。私はシレジアへ行く。信者が待っているのでね」
セリス 「ああ、何処にでも消えてくれ。電波に付き合っていられるか」
ホーク 「フッフッフ……さらばだ」
セリス 「シレジアも一騒動ありそうだな……」
レヴィン 「はあ、無理にでも子供を残すべきだったか……」
セリス 「じゃ、レヴィンはさっさと成仏してくれ」
レヴィン 「殺すな」
セリス 「16年前に死んでるだろ?」
レヴィン 「全く……最後の最後で衝撃の事実を明かすエンディングだというのに」
セリス 「5度目だからね」
レヴィン 「やれやれだ」
セリス 「全くだ」
   
  こうして戦いは終わった。
   
  イザークはシャナン王子を中心に国土を再建。
  何処から蓄えたのか、豊富な財力で瞬く間に一大国家となった。
  その財源は王妃デイジーが他国からかっぱらっているとのもっぱらの噂である。
  なお、ロドルバンはシャナンの部下として地味に働いている。
  ディムナは幼馴染のカレンと結ばれてごく普通の家庭を築いた。
   
  アルテナ、アリオーンを失ったトラキアは
  レンスターに吸収される形で一体化し、
  トラキア半島の統一は成ったかに見えたが
  リーフ王のてきとーでやる気の無い政策のため、不満が募り
  王妃ジャンヌと亡霊フィンがその処理におわれているという。
  アグストリアのトリスタンが妹ジャンヌを通じてトラキアに介入しようとするため
  その苦労が2倍に膨れ上がったことは言うまでも無い。
  ハンニバル将軍は近年、ボケが激しくなり、
  シャルローは遺産相続を狙っている。
  その関係でアサエロがつい最近、
  ハンニバル暗殺の仕事を受けたとか受けないとかいう話もあるようだ。
   
  内乱の最中にあったアグストリアは
  帰還した獅子王の息子、アレスによって見事、統一されたが
  統一するや否や、再び戦力を蓄え、新たな戦争に備えている。
  相手がグランベルであることは疑う余地も無い。
  アレス王の側には、常に彼によりそう王妃レイリアと
  常に王にいらんことを吹き込むトリスタンの姿があったという。
  その妻リンダは相変わらずの天然で、
  たまに脈絡なく怒りを爆発させてアグストリアを恐怖に陥れているようだ。
   
  ヴェルダンはセリスもその存在を忘れていたらしく。
  ヴェルダン王家の血筋も絶えているため、無法地帯のまま放置されている。
  もしセリスがヴェルダンの事を思い出せば
  一気に侵略して自国の一部とすることだろう。
   
  シレジアには奇妙な宗教が蔓延し
  第2のロプト教団として各国から恐れられている。
   
  グランベルは半数公爵家を失い
  権力はバーハラ王家に集中した。
  セリスはこれをいいことに王家の勢力を拡大
  シアルフィのオイフェ、ドズルのヨハンとその妻ラドネイ、
  フリージのアミッドとその妻フェミナらに
  これを止める手段があるはずもなく
  やがてグランベルはバーハラ王家の独裁国家として歴史に名を残すことになる。
  そしてセリスの側には怪しいイタコの儀式にふける皇女ユリアと
  グランベルの最後の良心、王妃マナの姿があったという。
   
  後の歴史家は言う。
  グランベルに暴君あり
  その名はセリス……

 

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