最終皇帝
【心の名台詞】 「もう私は皇帝ではない アバロンの人々にも忘れられた、歌の中だけの存在さ」 今回はロマサガ2より最終皇帝の登場だ! 秘伝「伝承法」によって歴代皇帝の能力を受け継いできたアバロンの皇帝だが、伝承法の力も、もはや限界。 これ以上、力を受け継ぐことはできない。 一千年以上にわたる七英雄との戦いに終止符を打つ宿命を背負った最後の主人公。 プレイヤーの分身というべき立場のキャラクターであるため、明確な性格や設定は持たないが、幕を引く者、という立場自体に漂う華々しさと哀愁とが最終皇帝の個性を形作っている。 今回は彼の魅力について、特にその哀愁について、触れてみよう。 プレイヤーが彼(彼女)の哀愁を明確に感じ取るのは、ラストバトルの直後だ。 断末魔の叫びを上げて消えていく七英雄。 決戦の地を立ち去ろうとして一瞬、振り返る皇帝。 胸中によぎったものは何だろう? 一千年の永きを戦ってきた。 技を、力を、記憶を受け継いで。 流れ、移り変わっていく時の中、「皇帝」だけが変わらぬ存在として七英雄との戦いを受け継いできた。その孤独! 奇妙なことだが、宿敵である七英雄だけが皇帝の孤独を慰め、また、孤独を分かち合うことができる存在だったに違いない。 七英雄が消える。と、共に皇帝もまたその存在意義を失い、歴史から消えていく。 かつて軍師が語ったように、皇帝を必要としない世界がやってくるのだろう。 もう自分は必要とされない人間なのだ、と自嘲的に呟く。 ラストシーン、そんな彼(彼女)の元を訪れるパーティの仲間達の姿は、涙を禁じえない。 そう…。 皇帝でなくなった彼(彼女)はもう、孤独な存在ではないのだ。 サガシリーズでも屈指の名エンディングといえるだろう。 え? やりこみで一人旅だから仲間がいないって? 知りませんよそんな話 |