SNK vs CAPCOM カードファイターズDS

 
SNK vs CAPCOM カードファイターズDS

 以前から続いているシリーズらしいのですが、触れるのは初めてです。
 説明文を読んでみると…

 カプコンとSNKのキャラがカードバトルで激突!

 と、いうことは

庵 「ふはははは京! カードで勝負だ!」
京 「デッキが甘いぜ! 手札がお留守だぜ!」
リュウ 「俺より強いデッキに会いに行く」
豪鬼 「我は単色デッキを極めし者」
バルログ 「汚れたカードは去れ。
強きカードは常に美しいのだ

 と、いうノリのゲームでしょうか?

 シャドルーはカードゲームで兵士を洗脳し、オロチ一族は
カードを集めてオロチ復活!
 ギース・ハワードは悪徳カード会社
(ただし、トレカ)の社長!

 お、面白すぎる! これは即、購入だ〜〜〜!!



 で、フタを空けてみるとカプコンとSNKのキャラはカードになってるだけで
作中には登場せず。主人公は普通のカード好きの少年。カードで世界制服をたくらむ謎のコンピュータに洗脳された100人のカードファイターとバトルしつつ賞金でカードを買い集めて…という内容でした。

 キッパリ言ってしまうと、
ゲームとしてはかなりアレな出来です。

 ストーリーがコロコロコミック的だというのは別にいいとして、20階まであるタワーの各階に4〜5人の対戦相手が居て、それを倒すとボス出現・・・の繰り返しなので非常に単調なのです。
 対戦相手との会話も全部似たような台詞なので全く意味なし。
 そしてCPUの思考がかなりバカなので初心者でもほとんど負けません。
 よって単純作業の繰り返し。

 おまけに、このタワーが「SNK側」「カプコン側」と二つのルートに分かれており、通ったルートによって購入できるカードの種類が変化してしまうため、「特定のカードをもってこい」というイベントでは、通ってきたルート次第で非常な苦戦を強いられてしまいます。

 …というか、このイベント「ここを通してもらいたければ○○のカードをもってこい」というモノなんですが、それって普通にカツアゲじゃないすか…。
 なんで主人公がカツアゲされて、しかも素直に従いますか?
 脇役のキャラがカツアゲされてるところをかっこよく助けに入って
「だったらカードで勝負だ!ってのがコロコロイズムってもんじゃないですか!?

 カードを集める方法は、特殊なイベントを除き「ひたすら買う」だけなので、カツアゲにあって自腹を切ってカードを買い続け、それでもカードが入手できなければ他のカードファイターに勝負を吹っかけて金を奪い取り、奪った金でまたカードを……
 こんなことを丸一日繰り返すと、
人生の敗北者気分を味わえます。

 そういうわけで、かなり根気と暇をもてあましている人で無い限り、このゲームの「ゲーム面」はオススメできません。

 ただし、カードに書かれているキャラの解説文はかなりハッチャケており、設定への突っ込み、軽いギャグなど、モトネタを知ってる人はかなり楽しめる仕様になっています。

 デッキ作りも、思い入れの強いキャラを上手く組み合わせて、かつ実用性のあるデッキを…と考えるのはなかなか面白いですし、カードバトルのルール自体も悪くなさそうです。
 本能の赴くまま、女の子キャラのみをそろえた煩悩デッキを組むもよし、一から十までマッチョを並べた肉デッキもまた良し!
 個人的にはバルログをメインにすえたお貴族系デッキなんかも組んでみたいかなー、なんて。

 …まあ、CPUの脳みそがアレなんで、適当に組んだデッキでも勝ててしまいますけど。
 対人戦の相手が居るなら、もう少し評価は上がるのかな?

 最後に、いくつかカード自体への突っ込み。

 大門
  HP200 BP200 (BPは攻撃力)
  …あの、すんません、リムルルのHPが600、BPが400もあるんですが、
  この巨漢はどれだけ見掛け倒し扱いされてますか?
  …でも、コストが低いので「居るだけで嬉しい」ことは確か。
  ある意味大門らしいのかもしれない。同じ役割で完全に上位のキャラが多数いるけど。

 フェイロン
  HP800 BP600
  地味なくせに強すぎだろうお前!
  コストはやや高いけど…

 御剣 矜持
  HP400 BP400
  すんません、アナタ、逆転裁判の検事の人だよね?
  なんで大門の倍も強いのか教えて欲しいんですけど。

 他にも強さへのツッコミは数え切れないほど…
 そりゃ、まあ低コストの便利カードも高コストの強力カードも無きゃいけないのがカードバトルとはいえ…やはり大門のHP200は無いでしょう。
 あと、バルログが完膚なきまでにロバートの劣化バージョンになってる説明をぜひお願いしたいぞプレイモア!
(同コストでHPが100劣り、特殊能力もロバートの方が単純な上位能力)
 この手の「完全に上位版・下位版」の能力を持つカードが多数存在する点もイマイチ。

 諸問題が解決された続編がもし作成されたら、買う価値はあると思うんですがねえ…。